今週は国内学会があって大変だった。
本当に大変だった。
コロナの影響で当たり前のようにオンライン開催だったんだけど、いろいろな事情が重なって口頭発表のセッションが非常に多い学会だった。
そのせいで座長が不足していて、僕みたいな博士課程の学生も座長に駆り出される状態だった。
こういうちゃんとしたシンポジウムみたいなので座長を務めるのは初めての経験だったので、ちゃんと事前にセッションの参加者に連絡を取ったり、事前提出の論文を読んでしっかり質問できるようにしたり、当日も時間が押さないように管理したり、すごく気を張ることが多かった。
自分自身の発表も二件あって、片方はポスター発表だった。
Gatherを使ったポスター発表で、自分のPCでPDFをスクリーンシェアして説明をする形式。
…だったんだけど、Gatherのスクリーンシェアがうまく動かなくて普通に事故ってしまった。
権限周りは全部クリアしてるように見えるんだけど、Gatherには権限が無いと怒られていて、どうにもならず。
偶然通りかかった知り合いが代理でスクリーンシェアしてくれて凌いだけど、この偶然が無かったらと思うとぞっとする。
分野に知り合いが増えてきたおかげで、こういう事故もなんとか乗り越えられるようになったけど、本当に迷惑かけてばかりじゃあかんなと思った。
ちなみにスクリーンシェア問題はいまだに解決してない。
もう一件の発表は招待講演みたいな形のやつで、結構な人数の前で口頭発表をした。
こっちは発表前日くらいまでぜんぜんスライドができてなくて、ほかの人の発表を聞きながらやべ~~~と思いつつちまちまスライドを仕上げていた。
これまでに何度も発表してたテーマだったので、スライドの貯えもあって何とかなったんだけど、これが新しいテーマとかだったら危なかった。
三月は本当にスケジュールが詰まりすぎてて、事故りかけながらもなんとか回避しながら前進してる。
この発表はとある賞の授賞式の一環として設けられた場だったので、一応スーツっぽい見た目の服を着てみた。
といっても、ユニクロの夏物ジャケットを羽織ってネクタイを締めただけだけど。
ただ、こういうなんちゃってフォーマル着でも気が引き締まって、発表中は結構舌が回った。
というか、単純に昔スーツを着て中学生相手にやってた集団塾の講師時代を思い出して、なんとなく気分が乗ったんだと思う。
あとから思い返せばずいぶん塾講師っぽい言い回し(僕がよく「詐欺師の喋り方」と形容する話し方)をしてた気がするけど、そこそこウケてたようなのでマル。
学会とかでの発表でマイク音質がガビガビだと申し訳ないな~と思い付き、ちょっとちゃんとした配信用マイクを買った。
LogicoolのG Blue Yeticasterっていうマイクで、アーム込みでお手頃価格だし結構前から気になってた。
普段の会議とか対外発表のクオリティを上げるという目的があるので研究費で買える気がするけど、今年度分の予算は使い切っちゃってるので自腹購入。
まあ、自腹で買えば今後趣味で配信したいときにも使えるのでいいんじゃなかろうか。そんな予定はないけど。
こういう配信用のマイクはスタジオとかでたまに見てたけど、いざ自宅のデスクに取り付けるとでかい。
ただ、やっぱりちゃんと工夫されていて、作業の邪魔にならないような設置ができて結構満足してる。
音質が改善されると、今度は声の反響が気になってくる。
デスクの周りに吸音材でも設置するか…?と思い始めていて、しばらく音周りの凝り性が続きそう。
このブログでは修士時代の受験の話とかを公開してるんだけど、最近は記事を参考にしてこの大学院に合格しました!みたいなコメントやメッセージが来てほっこりする。
こうやって分野の門戸を広げておくのも、微力ながら界隈への貢献になってるだろうか。
そういえば、いま僕が通っている大学院の修士入試を受けたいという人と先週面談した。
将来的にエンジニアになりたいから(今とは異なる)AI系の研究室を志望する、みたいなことを相談してくれた学部生で、ずいぶん真面目だけど怪しい選択をしそうだなという雰囲気があった。
修士から専門をかえると、分野の常識みたいなのを勉強しなおす必要があって、結局修士二年くらいになってやっと研究に本腰を入れるみたいな状態になりがち。
なので、研究分野に強い思い入れがあるとかじゃない限りは、専門分野を無理やり変えたりしなくていいと思うよ~とそれとなく伝えておいた。どれくらい伝わったかはわからないけど。
もちろん、考え抜いた結果この分野に来てくれるのは嬉しいんだけど、せっかくの修士二年間を基礎勉強に費やすみたいになると可哀そうだし、そういう現実も伝えておいた方がいいとは思う。
最近はAI系の研究室や学科が全国的に高倍率になってるらしい。
僕は私大文系からするっと横入りしてしまってるので、(院試を受けて正規の入り口から入ったとはいえ)罪悪感が常にある。
AIブームがいつまで続くか分からないけど、今この瞬間の流行りに囚われず、自分の本当の興味に向き合って分野を決めるのも楽しいと思うよ。
まあ、高校生や学部生にはずいぶん難しいことだと思うけど。
AIへの興味を足掛かりに、哲学や物理、教育とかに進んでいっても楽しいと思う。
三月で研究室を出る必要があるので、デスクの片づけをした。
片付けといっても、書類を捨てたりするくらいだったけど。
本当にあっという間の三年間で、振り返ってみれば全力で駆け抜けて周りを見る余裕もなかったなと感じる。
ついに学生としての席が無くなるのかと思うと、ちょっとしんみりする。
大学の学位授与式はオンラインなんだけど、なんか研究科の修了生代表に選ばれたようなので現地参加することになった。
こういうのは学部からの生え抜き博士学生が代表になったほうがいいのでは?とも思うんだけど、まあ声をかけてもらったのはありがたいのでちゃんと参加しよう。