2025/04/28-05/04

学会に参加するためにアメリカにいた。

アブダビの自宅で一泊したあと、24時間前に日本から到着したばかりの空港に移動。
そこから15時間かけてシカゴへ移動。
シカゴで3時間待って、シカゴからアルバカーキへ移動。
トータルで22時間くらいの移動の末、やっとニューメキシコのアルバカーキに着いた。
学会で出会った人々は、みんな口々に「なんでアルバカーキなんだ」と文句を言っていた。ほんとうにそう。

先週末の日本→アブダビの移動とほぼくっついた旅程なので、もうお尻というか、太ももの裏が椅子と擦れてジリジリと痛かった。
最後のシカゴ→アルバカーキ便は、もう疲れ果てていて、ずっとぐったりしていた。
どうやらアルバカーキは気流が悪い空港として有名らしく、着陸のタイミングでは結構ガタガタと揺れた記憶がある(が、ひたすら寝ていたのであまり確かでない)。
シカゴ→アルバカーキみたいなアメリカの国内便だと、2列×2の座席配置の細長〜いジェット機を使うことが多いみたい。
キャプテンもCAもベテランのおじちゃん+おばちゃんで、妙に使い古された機体と、気の抜けたアテンドで、なんか修学旅行のバスみたいだなと感じた。
たとえば緊急事態の装備の装着とかの説明をする前に、乗客に手を挙げさせてみて、「ほら、みんな私の話きいてないじゃない、もういや!!」と拗ねて見せるようなパフォーマンス(?)で、本当にバスガイドさんみたいだった。
そういえば国際線のCAさんってすごく若い人ばかりで、40代とか50代のクルーを見かけることってあまりないな。
もしかしたら、結婚とかのライフイベントを機に、仕事をやめてしまったり、家に帰りやすい国内線勤務に異動したりしているのかな。
なんとなくそんなことを考えさせられる乗員配置だった。

今回の出張、あまりにも行きたくなさすぎて、うわ〜〜いきたくね〜〜〜〜と思いながら適当に家を出てしまい、マスクもタブレットもイヤホンも充電ケーブルも忘れるという失態を犯した。
かろうじてアメリカ対応の(というか日本の)充電器を持っていたので、ケーブルだけ空港で買ってしのいでいる。
ノイズキャンセリングイヤホンを忘れたのと、マスクを忘れたのが痛い。
長時間フライトでAudibleを聞けないとか、乾燥した空気で喉が終わってしまうとか、あまり快適ではない時間を過ごすことになってしまった。
リュックを探っていたら耳栓は出てきたので、飛行機でうるさくて眠れないという最悪の事態は回避できた。

アルバカーキは治安が悪いと事前に色んな人から聞いていて、たしかに治安が悪いなという感じだった。
全体的に荒廃していて、ギャングがいるタイプの治安の悪さじゃなくて、ホームレスがそこら中にいるタイプの治安の悪さ。
学会の会場から少し離れた場所にホテルを取ってしまったので、会場に行くためには毎回鉄道の下を抜けるトンネルを通らないといけない。
ここが一番怖い。
大体ホームレスが一人以上転がっていて、場合によってはホームレス三人に対して自分が一人で歩いてるみたいな状態にもなる。
マイアミに行ったときは通行人がたくさんいたから怖さがなかったけど、アルバカーキは田舎すぎて誰も歩いておらず、襲われてもどうにもならんだろうなあという恐ろしさがあった。
ただ、実際にホームレスに声をかけられたりした体験はほぼなかった。
マイアミではほぼ全員に1ドルくれと集られて、無視してると罵声を浴びさせられるという体験をしていて、それに比べると随分と元気のないホームレスが多いなと思った。
(ちなみに学会の初日に、運営から「ホームレスに優しくしてね」というアナウンスが出されていて、ワ~オという気持ちになった。この気持ちについてポジネガは明言しません。)
あと、地面をよくみて歩いていないと、彼らが生産した落とし物を踏んづける可能性が高く、そういう意味でも外出が非常にストレスフルなエリアだった。

薬物的な怖さもあったけど、これはマイアミのほうが上だったかも。
ニューメキシコは大麻が合法なんだけど、人がいなさすぎて、その匂いを感じることはあまりなかった。
もちろんSmoke shopの前とかはすごい匂いだったけど。
ちなみに僕は大麻の匂いが本当に苦手なので、Smoke shopとかの前はオエ〜となりながら歩いていた。
せっかく合法だから試してみようとか、欠片も思わない。

全体的に貧困エリアが近いような雰囲気で、街を歩いていると、斜めに傾きながらゾンビのように歩く人達や、腰がグニッと曲がってオブジェのような体勢で静止してる人たちがちらほら目に入った。
何とは言わないけど、アメリカで流行ってる薬物の依存者が、ここにもやっぱりいるんだなという印象。

街を走るバスは無料なので、長時間外を歩くのが怖い場合はバスに乗る事もできる。
でも、無料が故にバスの中もそこそこ治安が悪く、どうしようもないなという感じ。

こう書くとネガティブな印象ばかりの街と思われるかもしれないけど、実際にその通りで、人生でもう行くことはないだろうなと思わされる街だった。
場所によるんだろうけど、少なくとも自分が宿泊していたエリアは、旅行者としても、仮に外国人として住むとしても、居心地が良いとは全く思えなかった。
ただ、普段馬鹿みたいに暑い砂漠に住んでる自分にとって、アルバカーキみたいな涼しい砂漠は結構新鮮だった。
景色を見渡すと、気候が穏やかで標高が高いアブダビという感じ。
もっと治安がよくて、活気がある街なら気に入ることができたと思う。むずかしいか。
まあ、アメリカに生まれて、ある程度都会での生活に疲れた人が住むには、落ち着いていていい場所なんだと思う。
私は結構です。

全体的に昔は人がたくさんいたのかもな〜と思わされる街で、緩やかに廃墟になりつつある、かつて栄えていた街の今際を見ているような感覚だった。
アブダビから来ている同僚たちとは、砂漠的な雰囲気も相まって、アブダビとかドバイも50年後はこうなってそうだよね〜という話をしていた。本当になっていそう。

学会そのものは、いつも通り楽しく過ごしていた。
今回はポスター発表と座長が初日にまとまっていたので、自分の担当が終わったあとは随分とのんびり発表を聞いたり、自分の仕事を片付けたりできていた。
自分が座長を担当したセッションはあんまり参加者がいなくて、最大で20人くらいのオーディエンスがいるくらいだった。
こうなるとなかなか質問が出なくて、仕方ないから自分から質問したりしていて、ほぼ発表者と一対一で話してるみたいな感じだった。
個人的には好きな話題なんだけど、今ひとつ盛り上がらないテーマなんだよな。どうしたら良いんだろうか。

やっぱり対面で人と話すというのは大切で、一度オフラインで話してしまえば、今後オンラインで議論したりするときの心理的なハードルがぐっと下がる。
初対面の人であってもオンラインでガンガン話せる、というタイプではないので、こうやって少しずつネットワークを広げていくことが自分にとってとても大切。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です