週のほとんどを韓国で過ごした。
海外に行くのも、飛行機に乗るのも、長めに外泊するのもずいぶん久しぶり。
何を持っていけばいいのか、どうパッキングすればいいのか、なにもかもを忘れているので、わたわたしながら準備をした。
今回行ったのは慶州という場所で、ソウルから4時間くらいの場所にある。
飛行機は朝イチの便しか取れなかったので、朝3時に起きて5時にスーツケースをごろごろ転がしながら出発するという、なかなかしんどいスケジュールだった。
羽田から金浦国際空港まではだいたい2時間くらいで、九州に行くのとほぼ変わらんなという感じだった。
韓国の電車は地下鉄もKTX(新幹線みたいなやつ)も、車内アナウンスに日本語があるので、駅の下り間違いとかは無かった。
空港からソウル駅に行くまでの道順を調べていなかったので、そこはちょっとてこずったけどね。
地理的にも民族的にも近い国なので、空気感が日本とあまり変わらず、海外に来たという感じがほとんどない。
めちゃくちゃ訛りが強い地方都市に来た、という感覚かな。
日本人の僕がそう思うんだから、韓国の人が日本に来ても同じように感じるんだと思う。
韓国人も僕が外国人であると判別することはできないので、お店での声掛けは基本的に韓国語でアニョハセヨと話しかけられる。
一方で僕はさっぱり韓国語が話せないので、エクスキューズミーと返すことになる。
なんだよ外国人じゃねーか、というバツの悪い間を何度も体験している。
街で出会った人たちを思い返すと、体感的にお年寄りは日本語を話してくれて、若者は英語が通じる、その間の年代はなんかあまり話してくれない、という感じ。
歴史的なものとか、文化的なものを色々感じる。
ホテルやお店では、運が良ければ日本語を話してくれるスタッフに出会える。
一方で、英語もだいぶあやしいスタッフもたくさんいる。
自分は小難しい英単語を使いがちなので、スタッフに意図が伝わらなかったりした。
誰にでもわかるEasy Englishを練習しないといけないなと痛感した。
今回の目的地である慶州は、結構地方都市という感じで、移動方法のメインは市バス。
どの国でも、地方のバスは基本的に現地の言語でしか案内が書かれていないので、これが一番苦戦した。
車内アナウンスは当然韓国語だし、運転手も英語は話せないし、案内板はハングルだしで、乗ってるバスが合ってるのかも分からない。
結局、到着してからしばらくはgoogle mapの現在位置を何度も確認しながらバスに乗ったり降りたりしていた。
現地の文字が読めないのはあまりにも不便という事で、渡韓2日目くらいに頑張って読み方を覚えた。
最近は外国語の学習アプリがあって、サクッと勉強できるのがありがたいね。
特にハングルはシステマチックに作られた文字体系だから覚えやすくて助かる。
ひとまず時間を書ければ文字を発音できる、という状態になったので、バスとかも多少は不安が無くなる。
ちなみに、今回は学会参加が旅の主目的。
現地開催の国際学会に参加するのは本当に久しぶりで、とても楽しめた。
論文でしか名前を見ない人とかに出会えたり、逆に僕の論文を知っていてくれて「君があの論文の著者か!」みたいな話をしてもらえるのはモチベーションにつながる。
コロナでオンライン学会がメインになってる間は、あまりこういう関係性の構築や確認ができなかったので、現地開催も大切なんだなと再認識した。
ただ、やっぱりポスター発表会場とか懇親会の会場はだいぶ密で、感染リスクがかなり高いなとは思った。
マスクをあまりつけない文化圏から来てる参加者は、当然のようにノーマスクだし、懇親会は性質上みんなマスクを取ってるので、だいぶ怖かった。
ワクチンを三回接種しているとはいえ、場合によっては一撃で感染しうる環境はなかなかハラハラする。
それでも懇親会とかのイベントはめちゃくちゃ楽しくて、年に数回はこういうイベントやらないといけないよなと思った。
お酒飲んで雑に英語でわちゃわちゃコミュニケーション取るのはとても良い。
ほかにも、日本から参加している研究者たちと集まって色々話せたのは良かった。
こちらも久しぶりに会う人や、オンラインでしか交流してなかった人と接触できてとても良い。
とにもかくにも、知り合いの輪を広げるのが大切だと思う。
海外滞在中の基本戦略は「絶対に体調を崩さない」ことなので、今回もしっかり寝ることを最優先にして、よくわからんものは口に入れず、食べ過ぎない、お酒も飲みすぎない、という行動を徹底している。
それが旅の楽しみを減らすとしても、いま海外でコロナに倒れるのはあまりにも面倒すぎる。