全部マジ。
いろんなイベントが同時に発生しすぎている。
移住もある程度落ち着いたので、ご報告も兼ねて改めて記録を残しておきます。
退職した
博士新卒で研究員として入社した会社をやめた。
2022年の卒業だったから、わずか2年とちょっとで辞めたことになる。
もともとアカデミアに興味があったんだけど、一度は日本の大きい会社で働くという経験をしておきたかったので、わりと有名な会社に入ってみた。
最初から3年くらいで辞めて大学の教員とかを目指そうと思っていたので、(思ってたより早いけれども)おおむね予定通りの動きではある。
基本的にこの会社は、一生勤め続けるならいい会社だと思っていて、周りの人たちにもこの評価を伝えてる。
少しでもリスクを低く、そこそこの収入を確保できるポジションに居続けられるという意味では、とても良い会社だと思う。
特に子供がいたり、家庭の事情で関東に住み続けないといけなかったり、そういう理由があるのであれば、この会社に残り続けるのが一番良い選択肢だと思う。
それはそれとして、仕事の内容が全く魅力的では無いとか、上層部の方針や態度にあまりにも賛同できないとか、研究に時間が取れないとか、意味不明な会議と雑務が多すぎるとか、研究員として働くには面白くない部分が多かった。
特に2年目以降は、ChatGPT関連で一気に世の中が変わって、社内外の様々な場所で発生したカオスなムーブメントに巻き込まれてしまい、自分の研究に充てる時間が全然取れなくなってしまった。
自分は社外からもらってる研究予算があるのに、その研究の時間を捻出するのも大変なくらいだった。
あいにく、自分は図らずも世の中から注目される分野を専門にしてる研究者だったので、適当な言い訳を付けて自分自身の研究時間を確保するみたいなことも難しく、立ち回りがとても難しくなってしまっていた。
もともと大学教員の道を軸にキャリアを考えていたので、研究ができないというのは問題として大きすぎる。
しっかり論文を書いて、査読付き会議とかに通して、業績を積むという重要なキャリア形成が難しい状況だったのは、退職を決めた大きな要因だと思う。
実際には、休日とかの業務時間外を使って無理やり論文を書いていたけど、査読付き会議に通せるほどのクオリティに到達させるほどの時間が取れず、中途半端な研究ばかりになってしまった。
もちろん、自分の力量不足も要因として大きいことは自覚しているけど、社内での立ち位置の関係で時間が取りにくかったり、そもそも同じ分野の研究者がほぼいなくて議論すらまともにできなかったりと、研究について研鑽できる環境に乏しかったのは事実だと思う。
あくまでも、自分がもともとアカデミアに戻るつもりだったという大きな前提があって、その上で会社員として働くことのデメリットが大きくなりすぎたというのが、退職の理由。
人間関係が嫌だったとかも基本的にないし、上司たちもアカデミア方向へのキャリアパスについて相談に乗ってくれたし、給料面でも同じ会社の同年代よりは多めに貰っていたので不満はない。
基本的にリモートワークかつ裁量労働だったので、自由に時間を使えていたのも非常に良かった。
大企業の会社員として、いろいろな良い面と悪い面を(短い期間ながら)体験できたのもありがたい。
繰り返すけど、会社員として一生勤めるならいい会社だと思う。
海外の大学でポスドクをはじめた
昨年の夏頃にあった勉強会の打ち上げで、ふとアブダビにある大学のポスドクについてポジションがありそうという話を教えてもらった。
もともとアカデミアに戻るつもりだったのと、人生のどこかのタイミングで海外で働く経験を積みたいと思ってたのとで、条件的に願ってもない理想的な環境だった。
その後、すぐに今のボスにあたる教員に連絡をしていろいろ話を聞いてみて、秋の終わりごろに「いきます!!!」とお伝えして、あれよあれよと言う間に転職が決まった。
最初から三年くらいで転職するつもりで、そのときの転職先の条件として、
・アカデミアに戻れる or 今よりもアカデミアに近い場所で仕事ができること
・年収が今よりも高くなること
・海外での経験が積めること
のいずれか2つは満たしたいと思っていた。
今回の転職では、これらの条件をすべて満たすことができていて、100点満点。
特に海外で仕事をする経験については、やるなら20代の勢いが残ってるうちに動きたいと思っていたので、ギリギリセーフだった。
海外に長期滞在したことがないとか、海外で働いた経験がないというのが、今後の自分にとってコンプレックスになる予感をひしひしと感じていたので、このタイミングで自信をつけられる選択ができたのは良かったと思う。
5月末頃からアブダビに移動していて、これを書いてる時点で一ヶ月半くらいが経過した。
一ヶ月くらいかけてやっと家に入居できて、数週間かけて家具がだんだん揃ってきて…と、まだ移住が落ち着いたとは言い切れない。
ただ、やっと腰を落ち着けて仕事に手を付けられるぞという感じにはなってきた。
実際にこっちに来てみてどうだったとか、何がやばいかとか、そういう話は週間記録にちまちまと書き残している。
秋からは新入生も入ってくるし、今後仕事を進めていって、数年間でどれだけの経験ができるかが楽しみ。
ポジションとしては2年契約のポスドクなんだけど、1回は更新できるという話なので3~4年はアブダビで生活するつもり。
ちょくちょく日本に帰ったりもするけど、アラブの地で経験値をたくさん稼げたら良いなと思っている。
結婚した
海外転職っていう大きめのイベントがあったタイミングで、結婚もしていた。
自分が転職してアラブに行きたいとかいう意味不明なことを言い出さなければ、あと一年くらい先の話だったと思う。
結果として、このタイミングで入籍したのはとても良かったと思う。
海外に行くという心細い変化の中で、支えあえる存在がいるというのは精神的な安定につながっている。
アラブに行くと打ち明けてから入籍まで、半年くらいで一気に駆け抜けた。
ご両親へのご挨拶も年明けになってからだったし、指輪の準備もかなりギリギリだった。
それでも、結果として良い形でゴールインできたのは妻を初めとする周囲の理解と協力あってのことだった。とても感謝している。
移住に際して、これまで乗っていた車を妻のご両親に引き取ってもらったりしていて、早くも大変お世話になってしまっている。
入籍までのスケジュールがタイトだったのもあり、結婚式は一年後くらいを考えてる。
まだ式場を探したりしてる段階だけど、来年中にはどうにか式をあげたい。
実はアブダビには一人で来ていて、入籍早々別居状態になっている。
妻も仕事があるので、いきなり休職してアラブに行くというわけにも行かず、一年後くらいを目処に海を超えて合流してもらう予定。
もちろん不測の事態でずれ込んだりすると思うけど、アブダビでの二人暮らしはとても楽しみにしている。
ありがたいことに既婚者の仲間入りができたので、結婚生活が長い先輩諸氏にはぜひともアドバイスなどいただけますと幸いです。
自分がアブダビにぶっ飛んだせいでいろいろとイレギュラーな状態になっているけども…。
妻が日本に残っているので、この一年は頻繁に日本に帰ると思う。
今後も日本で予定が合いそうであれば、ぜひ食事や酒に誘っていただけると楽しい話を提供できると思います。
次回の転職記事は3~4年後ですが、アラブの地で成長した自分が何を書くのかどうぞご期待ください。
「転職したし結婚したし海外移住もした」への1件のフィードバック