文系がNAISTを受験した話

これは2017年入学の話なので、あまり当てにならないかもしれません。
入学してすぐに書いても良かったんだけど、しばらく内情を見てから書いた方がタメになることをかけるかなと思って先延ばしにしてました。
無事修了できたので、さっさと書くことにします。

二年間の記録とかはこっちの記事にまとめています。

文系とNAISTの二年間、勉強とか生活とか

学生寮についてはこっち。

NAISTの寮の間取りとか写真とか

私について

文系出身です。
学部は早稲田の教育学部で、言語学と英語教育をやってました。
思うところがあって情報系に進みたくなり、いろんな人の勧めを受けてNAISTを受験するに至りました。

私は私大文系なので、数学の知識が高校生の数2Bで終わってました。
(数学ができないという意味での)本当の文系です。

入試について

NAISTの入試では数学、英語、小論文、面接で評価が行われます。
配点は公開されていて小論文など書類50、英語30、数学30、面接90の200点満点です。
2020年以前の配点は非公開となっていますが、割合は大きく変わらないと思います。
2020/08/03追記:小論文の点数は面接点に含まれるようです。勘違いしていました。書類は学部の成績や経歴でしょうか、情報がありましたら是非教えていただけると助かります。

配点からわかる通り、NAISTの入試は小論文と面接でほぼ決まります。
数学や英語が足を引っ張って不合格になることはあまりないような気がします。

学生寮は得点順に入れるため、寮に入りたいという人は英数も頑張るといいと思います。
あと、どうしても面接や小論文が苦手という人も、英数で満点を取ると心が落ち着くかもしれません。

英語

英語はTOEICの点数が提出できるので、これが一番お財布に優しい気がします。
600点くらいあれば足を引っ張ることはないと思います。
出来れば700くらいあると気持ちが楽なんじゃないでしょうか。
正確な数字を覚えていませんが、850点くらいあると英語の点数がカンストするはずです。
なので、無理に900とか取らなくても大丈夫です(2017時点)。

お恥ずかしい話、僕はスコア提出時点でTOEICが645点しかなかったのですが、どうにかなりました。
学生寮に入れた人の中では最低レベルの点数だったんじゃないかなと思います。
(早稲田の名誉のために弁明しておきますが、卒業時の平均点はもっと高いです。僕が怠惰な学生だっただけです。)

ちなみにTOEIC700点くらいから上にいけない人は、リスニング教材でディクテーションまですると点数が上がります。
例えば以下の問題集を普通にリスニング+問題をディクテーションすると、200点くらい上がります(これは体験談で、博士課程入学時点では900点前後を安定して取れるようになりました)。
いちばん使いやすかった参考書だけシェアします。

数学

大学一年生レベルの解析と線形代数が出題されます。
僕は学部の数学を知らないので、大学一年生レベルと言われても困ってしまうのですが、線形代数と微分積分の入門書みたいなやつを読めばいいと思います。
僕は学部三年の夏にNAIST受験を決心したので、一年間数学をちまちま勉強していました。

2021/10/17追記:数学の試験について、大まかな出題範囲が公式にアナウンスされているようです(リンク)。
まずはアナウンスされている教科書を入手してみると良いかもしれません。

文系で全く数学ができなかったので、ありきたりですが以下の参考書をやるなどしてました。
アソシエイトリンクなので、嫌な人は書籍名でググってください。

僕は高校レベルの数学すら危なかったので、シグマベストの数学を一度読みました。
好みがわかれるところですが、チャート式でもいいと思います

キーポイント、いろいろなところで高く評価されている良書です。
シグマベストとか、チャート式を一度やっておけば読めると思います。

大学生の~は問題集です。ボロボロになるまでやりましたが、内容は覚えてないです。
でも、これをやってなかったら数学はゼロ点だった自信あります。

試験では微積と線形代数からそれぞれ一問ずつ(各小問二つ)出題されて、10分くらいで解いたものを教員に向かってホワイトボードで説明する方式です。
間違っていてもいいので、自分の考えた解き方をしっかりと話すようにしましょう。

答えが間違っていても面接官がやんわりヒントをくれるので、それをもとに色々頑張りましょう。
正しい答えを導くだけではなく、それをしっかりと説明する力を見られています。たぶん。

問題自体は正直言ってめっちゃ簡単です。
だから、本当に思考過程を人に伝える能力を見る試験なんだと思います。

小論文

小論文は配点が高めなので、ちゃんと書くといいと思います。
志望研究室によって求められる小論文の雰囲気は異なりますが、やりたい研究をはっきりさせたほうが印象はいいはずです。
たとえ関連研究の調査が甘くても、何をなぜやりたいのかをはっきりさせるといいと思います。
難しいと思いますが、修士の二年間、あるいは博士を含めた五年間で達成したい研究について書くことが望ましいです。
既存研究プラスアルファみたいなちまちました内容で書いても「じゃあ卒論でやったら?」って感じになるので、夢は大きく書くといいと思います。
今の自分ができることじゃなくて、自分にしかできないやりたいことについて書くといいかも。

志望研究室の先輩にメールを送り付けて、添削してくれって頼んでもいいと思います。
無視されるかもしれませんが、多くの人は読んでくれるんじゃないでしょうか。
見ず知らずの人に突然メールを送ってお願いするくらいの度胸も必要だと思います。

面接

配点を見ての通り、面接が最も重視されています。
大学院大学は内部進学をなぜかしなかった人たちの受け皿になるため、「なぜNAISTに来たいのか」が重要視されると思います。

これまでどんな研究・勉強をしてきたのか、それを踏まえて何をしたいのか、何の意味があるのか、それはNAISTじゃないとできないことなのか、奈良の山まで来てやる覚悟はあるのか、修了後のキャリアをどう考えているのか。

こうした内容についてちゃんと考えておくと、受け答えがスムーズになると思います。
もちろんやりたい研究についてしっかり調べておいて、それについての受け答えもできるようにするのは最低限です。

世界トップレベルの先生方と話せる楽しい空間だと思って、自分で話すネタを持ち込むくらいの気持ちで臨むといいと思います。

特に同じ分野で内部進学できるのに、あえてNAISTを選ぶ人(学部で画像をやっていて、NAISTでも画像をやりたい人など)は面接点が低くなりそうな気がします。
なぜ内部進学ではなくNAISTなのかを納得できるレベルまで説明できるようにしてみるといいかもしれません。

NAISTは多様な分野からの学生を受け入れているため、自分がおもしろ人間であることをアピールするのが一番いいと思います。
斬新な発想を持っていて、それを実行する能力があって、円滑にコミュニケーションを取れる人間なんだというアピールが得点につながるんじゃないでしょうか。
在学生を見ていると、そんな気がします。

具体的に面接で聞かれた内容について載せて欲しいとメッセージをいただいたので、覚えてる限りで記述します。

  • (直前に行われた数学の試験について)試験の手応えはどうだったか。
    どう感じたかを素直に応えればいいと思います。見栄張ってもどうせ点数でバレるので。
  • (提出した小論文について)引用している論文以外にサーベイした論文はあるか、研究が何の役に立つのか
    これは一般的な質問なので、真面目に小論文を書いてれば答えられるはずです。
    こういうサイトを参考に、回答を用意しておくといいと思います。
  • (私は文系なので)なぜ情報分野に進学することにしたのか、モチベーションは?
    理系でも、なぜ自分の研究室/分野での進学じゃ無いの?とは聞かれるはずなので、回答を用意したほうがいいです。
    上でも書きましたが、なぜNAISTのこの環境を志望してるのかをちゃんと考えると点数高くなりそうです。
    単に指導教員と反りが合わないからとか、環境を変えてみたいからってのは微妙な気がします、個人的に(それは研究室を変える理由であって、NAISTを志望する理由では無いため)。
  • 修士課程以降のキャリアについてどう考えているか
    これは質問されて詰まったのでよく覚えてます。全く考えてなかったので。
    僕はプレゼンとか面接が比較的得意なので、その時なんとなく思い描いてた未来像をそのまま話すことができました。
    面接が苦手な人は事前に用意しておくといいと思います。
    一回就職するつもりで、そのあと社会人博士としてアカデミアにまた戻ってきたいみたいなことを言った気がします。
    結局別の大学で進学しましたが。

NAISTは将来性を見てくれる学校です。
今の自分ではなく、未来の自分を考えられる学生が欲しいんだと思います。

もっと知りたい情報とか、指摘があればコメントやコンタクトフォームから送ってもらえると大変助かります。

文系がNAISTを受験した話」への17件のフィードバック

  1. 5/16にこちらの記事にコメントされた方、メールにてご返信しております。

  2. はじめまして。
    2つほど質問よろしいでしょうか。

    -自分も文系学部(経営学部)でnaistの情報学系の受験を考えているのですが、mentaiko_gumaさんは他の大学院の受験もされましたか。
    今他の大学院の情報学系の受験を3校考えているのですが、現在在籍中の大学学部内での推薦などは他分野の学部に行きたいので、もちろんなく、どこにも受からなかった場合のことを考えて不安な気持ちに襲われてしまいます。もしどこにも受からなかった場合のことは考えていらっしゃいましたか。

    – naistの情報学系の試験の話になるのですが、nasitの選抜方法のホームページにて「小論文及び出身専攻分野を考慮した情報科学関連の質問を行います。」と書かれていました。自分が研究したい分野についての質問なら答えれる気がするのですが、情報系の知識がまったくないので(osなどの知識)答えれる気がしないです。mentaiko_gumaさんは試験管の方々から情報系の質問はされましたか。またそれに対しての対策などしていらっしゃいましたか。

    長々とすみません。質問に答えていただけると幸いです。

    1. > natsuさん
      ご質問ありがとうございます。
      気付くのが遅くなってすみません。
      文系から情報系にチャレンジされるとのことで、ぜひ挑戦を応援したいと思います。
      ご質問について、以下の通り回答いたします。

      1) ほかの大学院を受験したか。
      はい、JAISTと都立大学を受験しました。
      正確には、都立大学については試験日がNAISTの合格発表後でしたので、第一志望のNAISTの合格を受けて受験を辞退しました。

      2) どこにも受からなかった場合のことを考えていたか。
      正直言ってNAISTかJAISTには受かるだろうという謎の自信に満ち溢れていたので、すべてに落ちるケースはあまり考えていませんでした。
      この自信も根拠がないわけではなくて、TOEICのスコアがNAIST合格者平均程度(当時)であったこと、数学の問題も過去問などを参照して満点ちかくとれるだろうと踏んでいたこと(実際は二問中一問で事故りましたが)、小論文を進学希望分野の先輩に数回添削してもらっていたこと、経験上プレゼンテーションが得意であることなどの自己評価から来ています。
      あまり記憶がないのですが、夏入試がだめでもJAISTとNAISTは当時冬と春にも受験チャンスがあったはずで、そのどちらかで絶対に入るぞと意気込んでいた気がします。
      そういう勢いが大事だとは思いますが、今考えるとあまりにも無鉄砲ですね。

      3) 情報系の質問はされたか。
      僕の面接(専門は自然言語処理を志望)では、プログラミングの経験以外は聞かれませんでした。
      どちらかというと、僕が学部で専門にしていた言語学について質問された記憶があります。
      ただ、これは志望分野や志望研究室の先生の考えによると思うので、ご自身の専門に照らして必要だと少しでも感じる分野については勉強しておくのがいいと思います。

      ほかにも不明な点があればコメントかTwitterのDMとかでお気軽にご連絡ください(コンタクトフォームだとたぶん見逃します)。

  3. はじめまして、現在経済学部4年のYoshiと申します。
    元々4年の時に卒業を確定させた状態で留学に行くことを決めていたので(実際行きましたがコロナで途中帰国)、ゼミには所属しておらず卒論も書く予定も無いのですが、大学院入学を目指すとなると卒論の提出などは必須でしょうか?

    もしよろしければ、回答よろしくお願い致します。

    1. > Yoshiさん
      こんにちは、コメントありがとうございます。
      大学院によると思いますが、多くの修士課程院試では卒論を要件にしていないと思います。
      NAISTの場合は、最新の募集要項に「これまでの修学内容(卒業研究等)について」「奈良先端大において取り組みたい研究分野・テーマについて」の二つのテーマで小論文を書くように指示されているので、卒研・卒論が必ずしも必要というわけでは無さそうです。

  4.  初めまして。明太子さんのブログには、貴重な情報がたくさんあり、重宝させていただいています。ありがとうございます。
     私は社会学系の学部4年生なのですが、冬の試験を受けようと思っています。そこで、2つほど質問があります。
     1つ目は、面接についての質問なのですが、修了後のキャリアを答える際に、明太子さんはどんなことを答えたのでしょうか。将来の夢やできるようになりたいこと、作りたいもの、入りたい企業などでしょうか。情報系の技術についての知識がないので、簡単に教えていただけましたら幸いです。
     2つ目は、小論文についての質問なのですが、小論文には、自分の将来のことやモチベーションの部分はたくさん書かずに、研究内容をびっしりと書く方がよいのでしょうか。私は現在の専門とは全く異なる研究室を志望しているので、なぜNAISTに行きたいかやモチベーションの部分も書いたほうがいいのかなと考えています。(面接で聞かれるとのことですので、小論文では深く書かずに、面接でつっこみ待ちをするのもありかなと思っています。)
     2つ質問をさせていただきましたが、自分の将来やNAISTでのモチベーションをどこでどのくらい伝えるのがいいのか、という疑問から生じた質問です。
     長々と失礼致しました。ご回答いただけますと幸いです。

     
     

    1. コメントありがとうございます、参考にしていただけて嬉しいです。
      コメントを見るのが遅くなってしまってすみません、ご質問について回答します。

      > 面接についての質問なのですが、修了後のキャリアを答える際に、明太子さんはどんなことを答えたのでしょうか

      「修士課程修了後は一度企業に就職して、研究内容を活かした仕事をしたい。最終的には社会人博士などの形でアカデミアに戻ったり、研究所に行ったり、研究分野との関わりを持ち続けられるような仕事がしたい」といった内容を答えたと思います。
      今となって思い返すと、修士課程の面接でこの質問を訊かれるときは多くの場合「博士課程に進む意志があるか」を問われてるんだと思います。
      なので、まずは博士課程に進む意志があるかを答えた上で、その後のキャリアについて話すと良いと思います。

      > 将来の夢やできるようになりたいこと、作りたいもの、入りたい企業などでしょうか

      将来的なキャリアについては、特に具体的な内容(作りたいものや企業名)を話した覚えはありません。
      しかし、これも今となっては、もうちょっと回答を準備して具体的な話ができたら良かったなと思います。
      例えば、「〇〇社のように〜に力を入れている企業に就職して、私の研究内容をxxxの観点で応用して人々の役に立つ製品を作りたい。」など。
      まあ、修士入試でここまで言えたら凄すぎますが。

      余談ですが、行きたい企業ややりたいことがある場合は常に主張し続けると、思わぬ形でインターンにつながったりするのでおすすめです。

      > 小論文には、自分の将来のことやモチベーションの部分はたくさん書かずに、研究内容をびっしりと書く方がよいのでしょうか

      そうですね、基本的には研究提案内容に多くの紙面を割くのが良いと思います。
      というのも、課題の内容が「「これまでの修学内容(卒業研究等)」及び「本学において取り組みたい研究分野・課題」の2つの課題についての小論文(選抜方法案内より)」で、その内容に自分の将来のことや(自分の研究に対する)モチベーションは含まれていないからです。

      これまでに僕に相談しに来てくれた方が最終的に提出した小論文の内容としては、
      ・これまでの修学内容、新しい研究との関係性
      ・研究提案のモチベーション(社会的・学問的にその研究をやる必要がなぜあるのか)と目標(最終的にどういった貢献を目指すのか)
      ・アイディア着想の起点(コアアイディアの紹介と、なぜそのアイディアがうまくいくと思うのか)
      ・アイディアの概要を誰にでもわかりやすく説明
      ・アイディアが成功した場合どうなると予想されるか
      といった構成が多かったと思います。

      > 小論文では深く書かずに、面接でつっこみ待ちをする

      (追記:この質問は「NAISTに進学するモチベーションを深く書くべきか」でしたね、取り違えて回答してました。
      進学のモチベーションについては、お察しの通り面接で手短に話す機会が与えられると思うので、小論文に書く必要はないと思います。
      この回答内容は「小論文に書く研究テーマについて深く書かずにツッコミ待ちをする」と取り違えて回答したものなので、そのような戦略が頭にあった場合のみ参考にしてください。)

      小論文を書く上で細かすぎる部分は省くというのは重要な作業ですね。
      しかし、あえて穴を作ってツッコミ待ちをするのは(自分が分野に相当詳しく、かつ面接相手の分野に対する理解度がある程度分かってる場合以外は)危険なのであまりおすすめしないです。
      多くの場合、ツッコミ待ちのために省いた部分について質問されることはなく、「こんなに重要な内容を小論文に書くことができない程度の能力」として判断されて終わってしまいます。
      研究提案はどんなに完璧に書いても質問ポイントがたくさんあるものなので、まずは懇切丁寧に自分のアイディアを小論文に書いた上で、想定質問を作成することをおすすめします。
      その上で、ご自身の分野の先輩などに小論文を添削してもらって「ここは細かすぎるから削除して良い、訊かれたら答えれば良い」と判断される部分があれば、それに従うと良いと思います。

      > 自分の将来やNAISTでのモチベーションをどこでどのくらい伝えるのがいいのか

      これは小論文ではなく、面接の冒頭で必ず志望動機を訊かれますので、そこで30秒くらい話すので十分だと思います。
      進学するモチベーションはどうしても過去の話になってしまうので、進学後に何をしたいのかに重点を置いて話すのが良いと思います。

      上述の内容で疑問点は解消されたでしょうか。
      もし僕が見落としていたり、回答が不足している点、追加で思い浮かんだ疑問などがあれば、また気軽にコメントしてください。

  5. こんにちは、NAISTの受験の際にmentaiko_gumaさんのブログを参考にさせて頂きました。ありがとうございます。
    私自身、来年の4月からNAISTに進学予定で、自然言語処理の研究をする予定です。私もmentaiko_gumaさんと同様に分野外からの進学なので研究についていくために、今からできるだけ準備をしようと考えています。
    mentaiko_gumaさんの実際の経験から、進学前に勉強しておいた方が良いことや修士2年間の研究についてアドバイスなど、もしよろしければ教えて頂きたいです。よろしくお願いします。

    1. > uluさん
      コメントありがとうございます、参考にしていただけて嬉しいです。
      NAISTでの生活をぜひ楽しんでください。

      勉強すべき内容は知識の習熟度によって異なりますが、とりあえずプログラミングができないとどうしようもないので、プログラミングの話をします。
      僕は文系で情報分野の知識がほとんどない状態だったので、Linux環境(というかshell)での開発には慣れておけばよかったなと入学後に感じました。
      今はどうか分かりませんが、当時はMacBookAirが一人一台貸与されていたので、プログラミングはMacOSか研究室のサーバー(Ubuntu)での開発が基本でした。
      当時の僕はWindowsとJDKでJavaを書くみたいなプログラミングしか経験してなかったので、慣れるのに結構時間がかかりました。
      いまはJupyter Notebookとかもあるので一概には言えませんが、Linuxのサーバー上でvimとかemacsでコーディングする環境には慣れておいた方が良いと思います。

      また、GitとGithubにもし馴染みが無ければ、早いうちから慣れておいた方が良いです。
      プログラミング自体については、自然言語処理100本ノックとかをやると良いと思います。
      100本ノックをやりながら、シェル環境での開発やGit・Githubの使い方に慣れていくのがおすすめです。
      あとは、チャットボットでも形態素解析器でも何でもいいので、何か自然言語処理のツールやアプリを一つ一人で作り切る経験をしておいた方が良いです。
      メンテナンス性が低いコードを書くとどういう痛い目に合うかは、早めに経験しておくに越したことがないです(リーダブルコードを読んできれいなコードを書く技術を身に着けるのも良いですね)。

      自然言語処理の知識面に限って言えば、言語処理学会年次大会の論文(多くが日本語の原稿です)を見て、興味がありそうなものに目を通すと良いです。
      最先端の論文は英語なので、ACLAnthologyでトップカンファレンス(ACL、EMNLP、NAACL、EACLあたり)の論文を読むと良いでしょう。
      初めて本気で読む英語論文は一本読むだけで一か月かかったりするので、早めに慣れておいた方が良いです。

      修士2年間の研究については、僕よりも指導教員やスタッフに相談したほうが確実なので、あまり詳しくはアドバイスしないほうが良い気がします。
      言えることといえば、できるだけ早く手を動かして、実験して、結果を得ることが重要です。
      上手くいく研究かを確かめる最も手っ取り早い方法は、結果を予測して悩むことではなく、さっさと実験して結果を見ることです。
      実験して結果を見るまでのサイクルを早くするのが、個人的にはおすすめです。
      あとは心を病まないように、適度に運動しましょう。

      ありきたりな回答になってしまいましたが、これらのことはやっておいて損はないと思います。
      uluさん自身の現在の知識獲得状況に合わせてやっておくといいことをサジェストすることもできると思うので、もし興味があればまたTwitterとかでDMを飛ばしてください。

  6. ご返信頂きありがとうございます。とても参考になります。入学までに出来るだけプログラミングを頑張ろうと思います。
    今度相談したいことがあったときはTwitterでDMさせて頂きます。よろしくお願いします。
    丁寧に対応して頂きありがとうございました!

  7. 丁寧に答えて下さり、誠にありがとうございます。

    こちらの返信も遅くなり、大変申し訳ありません。
    質問1つ1つの対してのアンサーが細やかなだけでなく、納得できる理由まで付けていただいたので、疑問を解消することができました。
    明太子さんのご回答から得たアドバイスは、小論文と面接試験で大いに活用させていただきました。
    また、第3回の試験で合格いただけました。試験の結果が良ければ、御礼と共にご報告したいと思っていました。

    重ねてになりますが、この度は誠にありがとうございます。
    明太子さんの今後のご活躍をお祈り申し上げます。

    1. > yuuさん
      合格おめでとうございます!
      参考にしていただいた上に合格の報せまでもらえて大変うれしく思います。
      新しい環境での生活をぜひ楽しんでください。

  8. こんにちは。naistの受験を考えており、熊日記さんのブログは非常に参考にさせていただいております。聞きたいことがあるのですが、もしよろしければメールでやり取りさせていただくことは可能でしょうか?

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